長時間労働者の面接指導等が強化されています

平成31年4月25日  発行

働き方改革関連法により、2019年4月1日から長時間労働者に対する面接指導等のルールが強化されています。長時間労働によって健康リスクが高い
状況にある労働者を確実にケアするためです。今月号では、強化された長時間労働者の面接指導等の内容について解説します。

1. これまでの長時間労働者に対する面接指導等の制度

● 労働安全衛生法では、週40時間を超える時間外・休日労働が「1ヵ月当たり100時間を超え」、かつ疲労の蓄積が認められるときは、労働者からの申出を受けて、医師による面接指導を行わなければならない(義務)とされていました。

● また週40時間を超える時間外・休日労働が「1ヵ月当たり80時間を超え」、かつ疲労の蓄積が認められるときは、労働者からの申出を受けて、医師による面接指導を行うことが望ましい(努力義務)とされていました。

2. 2019年4月からの長時間労働者に対する対応

【労働者への労働時間に関する情報の通知】

会社は、1ヵ月当たりの時間外労働・休日労働時間の算定を行った結果、
週40時間を超える時間外・休日労働が1ヵ月当たり80時間超の労働者本人に対して、速やかにその超えた時間に関する情報
(時間外・休日労働時間数)を通知しなければなりません。

◆ この通知は、高度プロフェッショナル制度の対象労働者を除き、管理監督者や裁量労働制、事業場外労働のみなし労働時間制の適用者を含めたすべての労働者に行う必要があります。

◆ 通知については、疲労の蓄積が認められる労働者の面接指導の申出を促すものであるため、労働時間に関する情報のほか、面接指導の実施方法・時期等の案内を併せて行うことが望ましいとされています。

◆ 通知のしかたは、対象労働者に対して、超えた時間を書面や電子メール等により通知する方法が適当とされています。
(給与明細に時間外・休日労働時間数が記載されている場合には、これをもって通知とすることも差し支えありません。)

※ 高度プロフェッショナル制度の適用者や研究開発業務に従事する労働者については、異なる基準が設けられています。

【医師による面接指導の対象となる労働者の条件】

◆ 面接指導の対象となる労働者の条件が『週40時間を超える時間外・休日労働が「1ヵ月当たり80時間を超え」、かつ疲労の蓄積が認められる者』に拡大されました。

※ 面接指導を行う場合は、面接指導の対象となる労働者の申出により行うことになります。

【産業医に対する情報提供義務の主な内容】

◆ 産業医の選任義務のある会社(常時50人以上の労働者を使用する事業所)は、
下記①②の区分に応じて、それぞれ定める時期に産業医へ情報を提供することが義務づけられました。

① 時間外・休日労働時間が1ヵ月当たり80時間を超えた労働者の氏名・当該労働者に係る当該超えた時間に関する情報

⇒ 当該超えた時間の算定を行った後、おおむね2週間以内に提供を行う必要があります。

※ 上記に該当する労働者がいない場合は、該当者がいないという情報を産業医に提供する必要があります。

② 長時間労働者に対する面接指導実施後に既に講じた措置または講じようとする措置に関する情報

(実施していない場合にはその理由)

⇒ 面接指導後の結果について医師または歯科医師からの意見聴取を行った後、遅滞なく提供を行う必要があります。