36協定で定める時間外労働及び休日労働について

平成31年1月25日  発行

2019年4月より、36協定で定める時間外労働に、罰則付きの上限が設けられます。時間外労働の上限を規制することは、70年前に制定された
「労働基準法」において初めての大改革となります。今月号では、この改正内容について解説します。

1.改正前の時間外労働の上限について

大臣告示により、時間外労働の上限は、原則1ヶ月45時間・1年間360時間までという基準がありましたが、法的な拘束力はなく、さらに
労使合意による特別条項(例外)を締結することで、年間6ヶ月まで実質上限なく時間外労働することが可能でした。

  大臣告示による上限(行政指導) 特別条項付36協定の締結により
法定労働時間
1日8時間 週40時間
時間外労働
月45時間 年360時間
年間6ヶ月まで、
上限なく(締結した時間まで)時間外労働が可能
 
  36協定の締結による上限 特別条項付36協定の締結による上限  

2.改正後の時間外労働の上限について

① 法律による上限(原則)36協定締結による上限

今回の改正によって、法律上、時間外労働の上限は、原則として月45時間・年360時間とし、臨時的な特別の事情がなければこれを超えることが
できなくなります。

② 法律による上限(例外)特別条項付36協定の締結による上限

Ⅰ.臨時的な特別の事情があって労使が合意する場合でも、年間720時間以内までしか時間外労働をすることはできません。

(時間外労働が月45時間を超えることができるのは年間6ヶ月が限度となります。)

Ⅱ.どの月を基準月としても、基準月から前5ヶ月間の時間外労働と法定休日労働の合計時間について、2~6ヶ月(複数月)の平均がすべて1ヶ月
あたり80時間以内にしなければいけません。下記(例)をご参照ください。

(例)9月を基準月にした場合   8月 9月 「9月」と「1ヶ月前の8月」との2ヶ月平均
7月 8月 9月 「9月」と「2ヶ月前までの8、7月」の3ヶ月平均
      6月 7月 8月 9月 「9月」と「3ヶ月前までの8、7、6月」の4ヶ月平均
    5月 6月 7月 8月 9月 「9月」と「4ヶ月前までの8、7、6、5月」の5ヶ月平均
  4月 5月 6月 7月 8月 9月 「9月」と「5ヶ月前までの8、7、6、5、4月」の6ヶ月平均
  5ヶ月前 4ヶ月前 3ヶ月前 2ヶ月前 1ヶ月前 基準月    

Ⅲ.時間外労働と法定休日労働の合計を月100時間未満にしなければなりません。

① 法律による上限(原則) ② 法律による上限(例外)
法定労働時間
1日8時間 週40時間
時間外労働  月45時間 年360時間 上記Ⅰ.時間外労働 年間720時間
上記Ⅱ.時間外労働の複数月平均80時間
     (法定休日労働含む)
上記Ⅱ.時間外労働の複数月平均80時間
     (法定休日労働含む)
上記Ⅲ.時間外労働 月100時間未満
     (法定休日労働含む)
上記Ⅲ.時間外労働 月100時間未満
     (法定休日労働含む)
  36協定の締結による上限 特別条項付36協定の締結による上限

③ 違反した場合には、罰則(6ヶ月以下の懲役 または、30万円以下の罰金)が科されるおそれがあります。

3.施行日について

施行日

大企業  : 2019年4月1日(2019年4月1日以降の期間で締結する36協定から適用されます。)※下図のとおり

中小企業 : 2020年4月1日(2020年4月1日以降の期間で締結する36協定から適用されます。)

例:施行日の解説図