年次有給休暇の時季指定義務について

平成30年11月25日  発行

平成31年4月から、全ての企業において、年10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対して、年次有給休暇の日数のうち年5日については、会社が時季を指定して取得させることが必要となりました。今月号では、この制度について解説します。

○ 時季指定義務のポイントは、下記1~6となります。

1. 対象者は、年次有給休暇が10日以上付与される労働者(管理監督者・パートタイマー含む)に限ります。

(例)・入社後6ヶ月以上経過している正社員またはフルタイムの契約社員・パートタイマー等

・入社後3年6ヶ月以上経過している週4日勤務、かつ週の所定労働時間が30時間未満の短時間労働者(パートタイマー)

・入社後5年6ヶ月以上経過している週3日勤務、かつ週の所定労働時間が30時間未満の短時間労働者(パートタイマー)

2. 対象者ごとに、平成31年4月1日以降に年次有給休暇を付与した日(基準日)から1年以内に5日について、
会社が時季を指定して取得させる必要があります。取扱い例について①~③をご参照ください。

① 平成31年4月1日入社の場合(法定基準日●:平成31年10月1日に付与)
平成31年10月1日~平成32年9月30日までの1年間に5日取得させなければいけません。

年次有給休暇の時季指定義務についての解説図1

② 平成31年4月1日入社時に10日有給休暇を付与する場合(■:法定基準日である平成31年10月1日前に付与)
平成31年4月1日~平成32年3月31日までの1年間に5日取得させなければいけません。

年次有給休暇の時季指定義務についての解説図2

③ 平成31年4月1日入社(法定基準日●:平成31年10月1日に付与)かつ、全社的に起算日を合わせるために、
入社2年目以降の社員への付与日を4月1日に統一した場合(▲:平成32年4月1日に有給休暇11日付与)

年次有給休暇の時季指定義務についての解説図3

(1)通常は1年目の平成31年10月1日~平成32年9月30日までの1年間に5日取得させ、2年目の平成32年4月1日
~平成33年3月31日までの1年間に5日取得させることになりますが、期間が重なるため管理が複雑になります。

(2)上記(1)の様に重なる場合は、1年目2年目の通じた期間の長さに応じた日数にて取得させることも認められます。
この場合の計算式は右記の通りとなります。{※ 計算式:履行期間の月数(18ヶ月)÷12ヶ月×5日=7.5日以上}

3. 年次有給休暇を5日以上取得済みの労働者に対しては、会社による時季指定は不要です。又、労働者が自ら申し出て取得した日数や、労使協定で取得時季を定めて与えた日数(計画的付与)については、5日から控除することができます。

(例)・労働者が自ら5日取得した場合→会社の時季指定は不要         ・労働者が自ら3日取得した場合→会社は2日を時季指定

・労働者が自ら3日取得+計画的付与2日の場合→会社の時季指定は不要  ・計画的付与で2日取得した場合→会社は3日を時季指定

4. 会社は、時季指定に当たっては、労働者の意見を聴取し、その意見を尊重するよう努めなければなりません。

5. 会社は、労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、3年間保存しなければなりません。

6. 対象者に年次有給休暇の取得時季指定を行わず、5日の取得をさせなかった場合は、30万円以下の罰金が科されます。