職業安定法改正について

平成29年11月25日  発行

平成29年3月31日に職業安定法の一部を含む「雇用保険法等の一部を改正する法律」が成立し、公布されました。今回は改正された職業安定法のうち、平成30年1月1日に施行される募集を行う際の労働条件の明示等について解説します。

①労働条件の明示が必要な時点(タイミング)

時点 必要な明示
ハローワーク等への求人申込み、自社HPでの募集、求人広告の掲載等を行う際

求人票や募集要項等において、労働条件(詳細は②)を明示することが必要です。

○求人票のスペースが足りない等、やむを得ない場合には、「詳細は面談の時にお伝えします」などと書いた上で、
労働条件の一部を別途明示することも可能です。

○この場合原則として、初回の面接等、求人者と求職者が最初に接触する時点までに、
全ての労働条件を明示すべきとされています。

 
労働条件に変更があった場合、その確定後、可能な限り速やかに

当初明示した労働条件が変更される場合は、変更内容について明示しなければなりません。
(職業安定法改正により新設されました)(詳細は③)

○面接等の過程で労働条件に変更があった場合、速やかに求職者に知らせるよう配慮が必要です。

 
労働契約締結時 労働基準法に基づき、労働条件通知書等により労働条件を通知することが必要です。

②最低限明示しなければならない労働条件等(★は今回の改正により追加等された事項です)

労働者の募集や求人申込みの際に、少なくとも以下の事項を書面の交付によって明示しなければなりません。
ただし、求職者が希望する場合には、電子メールによることも可能です。

記載が必要な項目 記載例
業務内容 一般事務
契約期間 期間の定めなし
試用期間 試用期間あり(3か月) ★
就業場所 本社(○県○市○‐○) 又は △支社(△県△市△‐△)
就業時間
休憩時間
休日
時間外労働
9:00~18:00
12:00~13:00
土日、祝日
あり(月平均20時間)

裁量労働制を採用している場合は、以下のような記載が必要です。★

(例)「企画業務型裁量労働制により、○時間働いたものとみなされます。」

賃金 月給 20万円(ただし、試用期間中は月給19万円)

時間外労働の有無に関わらず一定の手当を支給する制度(いわゆる「固定残業代」)を採用する場合は、以下のような記載が必要です。★

① 基本給××円(②の手当を除く額)

② □□手当(時間外労働の有無に関わらず、○時間分の時間外手当として△△円を支給)

③ ○時間を超える時間外労働分についての割増賃金は追加で支給

加入保険 雇用保険、労災保険、厚生年金保険、健康保険
募集者の氏名又は名称 ○○株式会社 ★
(○派遣労働者として雇用する場合) 雇用形態:派遣労働者 ★

※ 明示する労働条件が変更される可能性がある場合はその旨を明示し、実際に変更された場合は速やかに知らせるよう、配慮が必要です。

③変更明示の方法等について(以下の①~④のような場合に、変更明示が必要となります。)

①「当初の明示」と異なる内容の労働条件を提示する場合

例)当初:基本給30万円/月
⇒ 基本給28万円/月

②「当初の明示」の範囲内で特定された労働条件を提示する場合

例)当初:基本給25万円~30万円/月
⇒ 基本給28万円/月

③「当初の明示」で明示していた労働条件を削除する場合

例)当初:基本給25万円/月、営業手当3万円/月
⇒ 基本給25万円/月

④「当初の明示」で明示していなかった労働条件を新たに提示する場合

例)当初:基本給25万円/月
⇒ 基本給25万円/月、営業手当3万円/月

[変更明示の方法](以下の①の方法が望ましいですが、②の方法などにより適切に明示することも可能です。)

①当初の明示と変更された後の内容を対照できる書面を交付する方法

②労働条件通知書において、変更された事項に下線を引いたり着色したりする方法や、脚注を付ける方法

※ 変更明示を行う場合でも、当初の明示を安易に変更することはできません。

※ 変更明示が適切に行われていない場合や、当初の明示が不適切だった場合(虚偽の内容や、明示が不十分な場合)は、行政による指導監督
(行政指導や改善命令、勧告、企業名公表)や罰則等の対象となる場合があります。