マタニティハラスメント等防止措置について

平成28年11月25日  発行

男女雇用機会均等法、育児・介護休業法が改正され、平成29年1月から新たに妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントについても防止措置を講じることが事業主に義務付けられます。今回はこのマタニティハラスメント等防止措置について解説します。

【マタニティハラスメント等防止措置の新設】

現行は  

平成29年1月1日からは左記①、②に加えて

①妊娠・出産等を理由とする不利益取扱いの禁止
(男女雇用機会均等法 第9条第3項)

③上司・同僚からの妊娠・出産等に関する言動により妊娠・出産等をした女性労働者の就業環境を害することがないよう防止措置を講じること
(男女雇用機会均等法 第11条の2)

②育児休業・介護休業等を理由とする
不利益取扱いの禁止
(育児・介護休業法 第10条等)

④上司・同僚からの育児・介護休業等に関する言動により育児・介護休業者等の就業環境を害することがないよう防止措置を講じること
(育児・介護休業法 第25条)

【職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメントの内容】

  事由 行為者 防止措置が必要となるハラスメント
<制度等の利用への嫌がらせ型>
○ 母性健康管理措置
○ 危険有害業務の就業制限
○ 産前休業
○ 軽易業務転換
○ 時間外・休日・深夜業の制限
○ 育児時間関係
○ 育児休業・介護休業
○ 子の看護休暇・介護休暇
○ 所定外・時間外労働の制限
○ 深夜業の制限
○ 所定労働時間の短縮等 関係
①利用の請求等をしたい旨を相談した

②利用の請求等をした

③利用した
上司

・解雇その他不利益な取扱いを示唆する行為

・制度等の利用の請求等又は利用を阻害する下記の行為
(①~③の事由に対応、以下同じ)

①請求等をしないように言う

②請求等を取り下げるように言う

③繰り返し又は継続的に嫌がらせ等をする

①利用の請求等をしたい旨を伝えた

②利用の請求等をした

③利用した
同僚

・繰り返し又は継続的に行われる下記の行為

①請求等をしないように言う

②請求等を取り下げるように言う

③嫌がらせ等をする

<状態への嫌がらせ型>
○ 妊娠、出産
○ 危険有害業務の就業制限
○ 産後休業
○ 妊娠、出産に起因する症状関係
妊娠した、出産した、つわり等による労働能率の低下等、就業制限により就業できない 上司 解雇その他不利益な取扱いを示唆
繰り返し又は継続的に嫌がらせ等をする
同僚 繰り返し又は継続的に嫌がらせ等をする

※ 業務上の必要性に基づく言動(安全配慮、労働者の意向の確認など)については、防止措置の対象とはなりません。

【事業主が講ずべき措置のポイント】

1 事業主の方針の明確化及びその周知・啓発

(1)ハラスメントの内容、方針等の明確化と周知・啓発

(2)行為者への厳正な対処方針、内容の規定化と周知・啓発

2 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

(3)相談窓口の設置

(4)相談に対する適切な対応

(5)あらゆるハラスメントの相談について一元的に応じることのできる体制を整備することが望ましい

3 職場におけるハラスメントへの事後の迅速かつ適切な対応

(6)事実関係の迅速かつ正確な確認

(7)被害者に対する適正な配慮の措置の実施

(8)行為者に対する適正な措置の実施

(9)再発防止措置の実施

4 職場における妊娠・出産等に関するハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置

(10)業務体制の整備など、事業主や妊娠等した労働者等の実情に応じた必要な措置

(11)妊娠等した労働者の側においても、制度等の利用ができるという知識を持つことや、周囲と円滑なコミュニケーションを図りながら自身の体調等に応じて適切に業務を遂行していくという意識を持つこと等を、妊娠等した労働者に周知・啓発

5 併せて講ずべき措置

(12)当事者などのプライバシー保護のための措置の実施と周知

(13)相談、協力等を理由に不利益な取扱いを行ってはならない旨の定めと周知・啓発