労働基準監督署の役割と指導・調査について

平成28年9月25日  発行

労働基準監督署は労働条件の確保や改善指導、安全衛生の指導、労災保険の給付などを行っています。また、調査を実施し、その結果、重大な法律違反があった場合には書類送検処分を行う権限も有しています。今回はこの労働基準監督署について解説します。

【労働基準監督署とは】

労働基準法等関係法令の履行を確保するための行政手法として、以下の業務を行っています。

1.事業場に対する臨検監督指導(調査)

2.労災の原因調査と再発防止対策の指導

3.重大な法律違反に対する書類送検処分

4.申告・相談への対応

【労働基準監督官とは】

実際に会社に来て調査を行うのは国家公務員である労働基準監督官です。
その主な権限には以下のものがあり、労働基準法をはじめ、上記の業務の根拠となる法律に定められています。

1.労働基準監督官は、事業場を臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、又は使用者若しくは労働者に対して尋問を行うこと
ができる(労働基準法第101条1項)。

2.労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う(労働基準法第102条)。

【労働基準監督署の調査】

労働基準監督署が行う調査を監督といい、労働基準法などの労働関連諸法令に違反していないか調査するものです。
労働基準監督官には調査の権限が法律により与えられていますので、調査を拒否することはできません。

1.調査の種類

①定期監督 最も一般的な調査で、年度の監督計画により、労働基準監督署が任意に調査対象を選択し、
法律全般について調査
②災害時監督 一定程度以上の労働災害が発生した際に、原因の究明や再発防止指導を行うための調査
③申告監督 労働者からの申告(告訴や告発)があった場合に、その申告内容について確認するための調査
④再監督 監督の結果、是正勧告を受けた場合に、その違反が是正されたかを確認するためや、是正勧告に対して指定期日までに是正報告書を提出しなかった場合に再度行う調査

2.調査の内容

調査ごとに内容は変わりますが、一般的な調査事項は以下のとおりです。

労働条件:労働者名簿、雇用契約書、就業規則、労働時間(タイムカードなどの記録)、賃金、36協定 など

安全衛生:衛生管理者や産業医の選任状況、衛生委員会の設置状況、健康管理として健康診断の記録・結果報告 など

3.是正勧告書、指導票、使用停止等命令書の交付

①是正勧告書 調査の結果、法令違反がある場合に違反事項と是正期日が記載され、交付されます。
繰り返し是正しない場合や悪質と判断された場合は、書類送検される可能性があります。
また、労働基準法や各法律に定められた罰則が適用される可能性があります。
②指導票 調査の結果、法令違反ではないが改善の必要があると判断された場合やガイドラインに定められているものなどに該当する場合に交付されます。
③使用停止等
命令書
調査の結果、施設や設備の不備や不具合で、労働者に緊迫した危険があり、緊急を要すると判断した場合に交付されます。是正勧告書や指導票と異なり、労働基準監督署長の名前で交付されます。

4.是正(改善)報告書の提出

是正勧告書や指導票の交付後、改善期日までに指摘された違反内容を改善して、是正(改善)報告書を提出します。

所定の様式はありませんが、違反内容と是正内容、是正完了日などを記載して、会社名、住所、代表者名を記入して押印したうえで提出します。